日常

十五夜っていつの事?知られざる意味と月見の関係は?

今宵から、2回にわたって
「お月見」をテーマに、お送りします。

 

お月見の風習は、いつ、どこで始まったのか?

そもそも、満月なんて、毎月あるものなのに
なんで、秋の特定の「十五夜」「中秋の名月」とやらにだけ
お月見をするのだろう?

スーパーで売ってる「月見だんご」
あれって、何かのお供え物なの?

ということは、これって宗教的な意味が、あるのかな?

「月のうさぎ」伝説とは、何か関係があるのかしら?

いろいろと、ミステリーだらけですよね。

お月見

 

これ、調べてみると、実に奥が深い
興味が尽きないテーマなんです。

今回の第1夜は、まず、「お月見」に関する
基本知識をまとめます。

 

次回はさらに、一歩踏み込んで
日本各地の「お月見」風習から、垣間見える
真相を調べていきましょう!

 

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十五夜・中秋の名月とは何か?

カレンダーや新聞に
「中秋の名月」「十五夜」
と書いてある秋の日、ふと空を見上げる。

すると、やあ、確かに満月だ。

 

風流だなあ、そろそろ秋の気配なんだなあ。

さて、コンビニで買った
ヤマザキの月見だんごでも、食べようか。。。

 

たいていの現代日本人にとって
「お月見」には、そのくらいの意味しか、ないものと思います。

しかし、この風習が、最近流行りだしたものではなく
昔から、行われてきたらしいことは
誰しも想像が、つくところでしょう。

 

では、「十五夜」「中秋の名月」とは何ぞや?

このなんともいえない、モヤモヤを
秋の夜空のように、スッキリさせるべく
まずは、事実関係のおさらいから、始めてみましょう。

ちょっとした、頭の体操になりそうです。

 

十五夜は、月々やってくる!

地球から見ると
月は、約29.53日周期で、満ち欠けを繰り返します。

明治時代以前に使われていた、旧暦(陰暦)
この「月の変化」が、元になっていました。

新月(=月齢0)を「第1日」とし
次の新月までの間が、文字通り「1ヶ月」

 

ということはですよ
1ヶ月の真ん中にあって、月齢が14になる「第15日」の夜
必ず、満月になるわけじゃないですか。

月の満ち欠け

(厳密には、満月の瞬間の月齢は13.8~15.8で
誤差が出ますが、運用上の話はここでは省きます。)

要するに、「第15日の夜」=「十五夜」というのは
毎月あるわけです。

 

それじゃ、なぜ
9月のカレンダーにだけ、「十五夜」と書いてあるのか?

 

実はこれ、正しくは「八月十五夜」なんですね。

そして旧暦の八月は、現代のカレンダーだと
だいたい、9月にあたるわけです。

今年(2014年)の場合、9月8日が「八月十五夜」です。

 

毎月ある「15日の夜」の中で、「八月十五夜」だけが特別扱いされる。

これには、天文学的な理由や、神話上の由来が
あるわけでは、ないようです。

 

貴族にとっては
暑さも一段落して、月でも愛でてみたくなる季節。

庶民にとっては
稲も無事育ち、刈り入れまでの、つかの間の休暇。

 

加えて、夏の上昇気流で生じる、低い入道雲が去り
筋雲が空を、いっそう高く、透明に見せてくれます。

さらに、日照時間が短くなって、日暮れが早く
夜が長く感じられる時期、でもあります。

 

昔の人も現代人も、夜空をながめる、心のゆとりができる頃
月は、ひときわ美しく、見えるわけです。

うまくできてるものですね。

 

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「中秋の名月」とは?

ところで
「中秋(ちゅうしゅう)の名月」
という言葉も、よく聞きますよね。

あれって、何でしょう?

中秋の名月

 

ラーメンに入ってる、焼き豚じゃないことは
とりあえず、わかるけれどw

「十五夜」と、どう違うのでしょう?

 

「中秋」とは、旧暦の「秋」(7・8・9月)の
「ちょうど真ん中の日」という、意味なんです。

つまり必然的に
「(旧暦の)8月15日」を、意味することになります。

月が出るのは夜だから、「八月十五夜」
全く同じ意味に、なるわけです。

 

ただ、細かい話ですが、「仲秋の名月」と書くと
ちょっとだけ、意味が変わります。

「仲秋」「(旧暦の)8月」を、意味する雅称なので
「仲秋の名月」は、「(旧暦の)8月の名月」という意味になります。

「八月十五夜」の満月のことは、こう呼んでも間違いではないです。

 

一方、たとえば旧暦8月にあたる
現代の9月の三日月が、綺麗で感動したら
それも「仲秋の名月」なわけ。

わざわざ、そんな誤解を呼ぶ表現をしなくても、いいわけですけどね。

 

「日本初のお月見」と、庶民への普及

初めて、ナマコを食べたのが
どこの誰だったのかは、永遠の謎です。

しかし、お月見に関しては
「日本で初めてお月見をしたのは、醍醐(だいご)天皇」
という話が、あります。

醍醐天皇のお月見

 

今から1105年前、西暦909年(延喜9年)。

醍醐天皇が、即位して7年めのことです。

醍醐帝といえば、即位の4年後に
人気絶大だった、右大臣の菅原道真(天神さま)を突然クビにして
遠い福岡の太宰府に、左遷してしまったことで、有名な方です。

 

この事件には(ライバルの告げ口とか、先代の帝との軋轢とか……)
いろんな裏事情が、あったらしいです。

それを別にしても
自分の側近を、切らねばならなかった、帝自身にも
相当な苦悩が、あったことでしょう。

 

醍醐帝は、『古今和歌集』を作らせるなど
和歌を愛する、繊細な感性を、持つ方でもあり
最初のお月見も、主にそういった趣旨で、催されたものと思われます。

世知辛い外界を、超然と照らす、秋の名月に
きっと、静かに癒やされたことでしょう。

 

この宮中の風習が、貴族の間で徐々に広がり
江戸時代になると、庶民の間にも普及した、と。

京や江戸といった、大都市の庶民にとって
「お月見」との出会い
まさに、そういう経緯だったのでしょう。

そういう意味では、ひな祭りや節分と、一緒ですね。

 

一般的な「お月見の由来」の話としては
以上の筋書きで、間違いはないと思われます。

 

しかしです!

それだけでは、説明できないこと
たくさんあるのも、事実なのです。

 

次回、第2夜は、「十五夜」の風習の地域差を調べ
そこから、全国に残る「お月さま信仰」や
例の月見と「うさぎさん」の関係に、踏み込んでみましょう!

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